ゆとり世代とは、1987年から2004年生まれの世代を言います。2002年に施行された週休2日制、偏差値重視の詰込み教育ではなく学習内容を30％減らした個性尊重の教育方針などを受けた世代です。2023年時点だと、19歳～36歳の世代です。

もちろん個人によって異なりますが、一般的な特徴として次のようなことが挙げられています。

教育環境の変化

ゆとり世代は学校教育においてカリキュラムの緩和や生徒の負担軽減が行われた時期に学んだ世代です。このため、比較的自由度が高く、自己表現や主体的な学びに慣れています。

インターネットとテクノロジーの普及

ゆとり世代はインターネットやスマートフォンの普及時期に成長しました。デジタルネイティブとして、情報へのアクセスやデジタルコミュニケーションに長けています。

コミュニケーションスタイルの多様性

ゆとり世代は様々なコミュニケーションツールやSNSを活用し、リアルタイムで情報を共有することに慣れています。そのため、複数のチャネルを通じたコミュニケーションや即時性を重視する傾向があります。

ワークライフバランスの重視

ゆとり世代は仕事だけでなく、プライベートの時間や趣味、家族との時間など、ワークライフバランスを重視します。柔軟な働き方やワークフレキシビリティを求める傾向があります。

直感とクリエイティビティの重視

ゆとり世代は直感的な意思決定や創造性を重視します。新しいアイデアやアプローチを持ち、柔軟な思考で問題解決に取り組むことが特徴です。

社会的意義と社会的貢献の追求

ゆとり世代は社会的な意義や目的を持つ仕事や活動に関心を持ちます。自己のキャリアや経験を通じて社会的な影響力を持ちたいと考える傾向があります。

会社は様々な世代や価値観を持つ人たちが集まって成り立っており、育った環境や時代も異なる人たちと力を合わせて同じ方向に向かって進む必要があります。意識や行動のギャップが生まれるのは当然のことなのです。

それを理解した上で、職場で共に働き円滑に進めていくためには、お互いに理解を深め、尊重し、努力することが大切です。

今回はその「ゆとり世代」に焦点をあてた人材育成のポイントをいくつかお伝えします。

• 目標設定とフィードバック

ゆとり世代は自己成長や目標達成に対して意欲を持っています。彼らに対しては、明確な目標を設定し、進捗状況を定期的にフィードバックすることが重要です。具体的な目標や成果についてのフィードバックを通じて、成長を実感できるような仕組みを作りましょう。

• 柔軟な働き方とワークライフバランスの提供

ゆとり世代はワークライフバランスを重視し、自己のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を求めています。組織としては、リモートワークやフレックスタイム制度の導入など、働く環境や働き方に対する柔軟性を提供することが重要です。さまざまなライフステージやニーズに合わせた柔軟な働き方の選択肢を用意し、働きやすい環境を整えましょう。

• スキル開発と成長の機会の提供

ゆとり世代は自己成長に対する意欲が高く、新しいスキルの習得やキャリアの成長を求めています。組織としては、定期的なトレーニングやセミナー、スキルアップのためのプログラムを提供することで、彼らの成長を支援しましょう。また、自己学習や自己啓発のためのリソースやツールを提供することも有効です。

• メンタリングやコーチングのサポート

ゆとり世代は経験豊富なメンターやコーチのサポートを求めることがあります。組織内でメンタリングプログラムを導入したり、上級職とのマンツーマンのコーチングセッションを提供したりすることで、彼らの成長や意欲を引き出すことができます。メンタリングやコーチングを通じて、経験と知識の共有やアドバイスを提供し、彼らのキャリアのサポートを行いましょう。

• チームワークとコラボレーションの促進

ゆとり世代はコラボレーションやチームワークを重視し、自己表現や意見の共有に積極的です。組織としては、チームビルディングの活動やプロジェクトベースの仕事を通じて、彼らが協力し合い、お互いのアイデアや視点を尊重しながら成果を上げられるような環境を整えましょう。

• コミュニケーションの活性化

ゆとり世代はオープンで透明性のあるコミュニケーションを重視しています。組織としては、定期的な会議やチームミーティング、フィードバックセッションなどを通じて、意思疎通を図り、情報共有や意見交換を促進しましょう。また、コミュニケーションツールやプラットフォームの活用も重要です。

• 意義のある仕事と社会的貢献の実感

ゆとり世代は仕事に対して意義や目的を感じることを求めています。組織としては、彼らが自身の仕事が社会的な意義や貢献を持つことを実感できるような環境を提供することが重要です。ビジョンやミッションの共有、CSR（企業の社会的責任）活動への参加などを通じて、彼らが仕事の意義を感じられるようにしましょう。

世代間ギャップを感じるのはお互い様です。異なる世代や環境の人々ともコミュニケーションを通じて、相互理解を深めましょう。お互いのバックグラウンドや経験、価値観を尊重し、共感することで、信頼関係は築けます。個々の強みを活かし合い、協力し合って目標に向かって取り組みましょう。